小蝶香

香道の組香に「小蝶香」があります。
源氏物語の「胡蝶の巻」をモチーフにした「組香」となっています。

香は四種で、
一 として 三包で内一包試
二 として 同断
紫上として 二包で無試
秋好中宮として 同断

聞き方は、
①一と二の試の香を聞いて香りを覚えます。
②本香は一、二の四包に、無試の紫上と秋好中宮の四包から一包抜いた三包を加え、計七包にして打ち交ぜ順次たき出します。

この組香は、証歌として「胡蝶の巻」から二首を引いています。
紫上が詠んだ歌
花園の小蝶をさへや下草に秋待つ虫は疎く見るらん
秋好中宮が詠んだ歌
小蝶にも誘はれなまし心ありて八重山吹をへだてざりせば

源氏物語の「胡蝶の巻」をあらためて読むと云っても、サマリー本ぐらいしか目を通す気にはなれません。
そういった意味では、徳川美術館で販売している『絵本 源氏物語』はピッタリの本です。

絵本源氏物語

この絵本の「胡蝶の巻」は4ページで、1ページがサマリー、残り3ページが印象的な場面の絵になっていて、短い解説も添えられ、申し分のない構成になっていました。(o^-^o)