寝覚

昨日の記事「寝覚香」の[寝覚]という文言から、以前見たTV番組の中に出てきた名香「寝覚」を思い出しました。

今から8年前の平成21年2月16日に、志野流香道の松隠軒に於いて「平成の名香合」が行なわれました。
有馬頼底氏、徳川義崇氏、近衛忠大氏、冷泉貴実子氏、蜂谷宗玄家元、蜂谷宗苾若宗匠の6人が、それぞれ秘蔵の六十一種名香を持ち寄って、香木を二炷づつ聞いて優劣を競う三番勝負が行なわれましたが、その時に冷泉貴実子氏が持参したのが香銘「寝覚」の香木でした。
名香合(あわせ)の様子は、NHKBS3で放送されましたが、知識やヒントがたくさん詰まった番組でした。

香銘   味
「千鳥」(苦酸) 有馬頼底氏
「賀」 (甘苦辛)徳川義崇氏
「明石」(酸鹹苦)近衛忠大氏
「寝覚」(甘酸) 冷泉貴実子氏
「紅」 (甘辛) 蜂谷宗玄家元
「花宴」(辛酸) 蜂谷宗苾若宗匠

名香合の記録は、料紙に認められ綴じられていましたが、その綴じ方は「詠草綴り」につながるもので、とても参考になりました。
芸事は今でも相伝がメインの世界と認識していますが、TV番組、書籍、ネット等を通して、今では随分開かれたものになっているように思います。

陽明文庫

*写真(陽明文庫)は、近衛家の陽明文庫見学会に参加した時のものです。