七夕・記録的豪雨

7月7日は陽数7が二つ重なる七夕の節供の日。

この日は短冊に願い事を書いて笹の葉に結び、技芸の上達などを願う星祭りの日なのですが、今日は九州・西日本・東海地方で記録的な豪雨に見舞われ、今この時点でも甚大な被害を出している模様です。
日本列島は近年、災害列島の様相を呈しています…。

七夕の節供は、元は旧暦七月七日の行事でしたが、明治五年の改暦に伴なって現行太陽暦の日付けにそのまま移行させたことから、一般的には7月7日となっていますが、所によってはひと月遅れで、あるいは旧暦の七月七日(今年は8月17日)に行なわれています。

今夜は、織姫(織女星・こと座のベガ)が天の川を渡り、ひこ星(牽牛星・わし座のアルタイル)に会いに行くことも、この雨では叶わぬ夢となりました。

でも、七夕に因む組香なら、願いを叶えられるかもしれません。
組香は七夕香、星合香、そして七炷香あたりでしょうか…。

「七炷香」の本式は、参会者七人で一日のうちに第一から第七まで七回(香元と執筆を各一回担当)行ない、一回毎に歌を詠んで飾るものと聞いたことがあります。

◆香は四種

一として 二包で無試
二として 同断
三として 同断
客として 一包で無試

◆聞き方

計七包を打ち交ぜて炷き出します。(原則は無試・札聞とか…)
※無試なので、札は一、二、三、ウの順に打ち、点はつるびとなります。

◆メモ・余談
一回に七炷を聞き分け、これを都合七回行なうわけですから、合計7×7=49炷を聞くことになります。
加えて、和歌を七首詠むことになります。

これは、修練を積んだ香人でないと、とても務まるような組香ではありません。
私的には、気が遠くなるようなお話で、この一回分を行なうだけでもやっと、といった感じです。

尤も、全七回をやり終えた後の達成感・充実感だけはおぼろげながら解るような気はしますが…。

こうしてみると、香道の世界も諸芸能と同じように、道は延々と長く険しく、果てが無いと云えるのかもしれません。

さて、今日の七夕。
約一名が短冊に歌を書き、梶の葉と共に玄関先に吊るして、ちょっぴり七夕気分を味わいました。

※梶の葉

【追記】
一日経ってから、ふいと裏千家茶道で好まれている「五事式」が頭に浮かんできました。
五事式は<廻り炭→[懐石]→廻り花→且座→花月→一二三>の流れに沿って一日がかりで行うもので、七事式のうちの五つの式と茶事を組み合せた式となっています。

七事式や茶事を心得た方々五人で行うものとなっていますが、上記「七炷香」同様、やり終えた後の充実感はぼんやりと想像はできるものの、体験しないことには矢張り本当のところは解らないかもしれません。

エネルギーが必要です…。