中秋の名月・名月香

今日は旧暦の八月十五日、中秋の名月の日にあたります。

夜はお月見をしなければなりませんが、天気予報を見ると曇マークばかりなので、空模様が心配されるところであります。
せめて、侘び茶の祖とされる村田珠光の言葉「月も雲間のなきは嫌にて候」(満月の皓々と輝く月よりも雲間に見え隠れする月の方が美しい)と云える程度ではあって欲しいのですが…。(NHKEテレの「趣味どきっ!-表千家-」に言葉は出ていました!)

名月といえば、「名月香」と称される組香が二つあります。

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1.名月香

◆香は二種
月として 二包で内一包試
客として 一包で無試

◆聞き方
試みを終えて、出香二包を打ち交ぜて炷きだします。(二包の内、一包だけ炷きだす方法もあります)

◆メモ
最も簡単な組香となっています。
出香二包は、月と客ですから、出香二包炷いても、二包の内の一包だけ炷いても、答えは出せることになります。
これ以上(以下?)は無いという、最強の組香と云えそうです…。

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2.名月香

◆香は四種
月として 一包で無試
花として 四包で無試
雲として 五包で内一包試
風として 同断

◆聞き方
雲と風の試みを聞いた後、
月一包を初めに除いておいて、残り十二包(花、雲、風の各四包)を打ち交ぜて内より一包除き、残った十一包の中へ月一包を加えた十二包を打ち交ぜて炷き出します。
二炷づつ一組として六組十二炷を聞きます。

◆書き方
記録紙には、【月と雲】都のたつみ、【月と花】梢にうつる、…等々の名目で書かれるようですが、片当りがあったり、点と星を記したりと、なんだか面倒そうな記録の仕方になっているようです。

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ところで、十五夜前後の月の名称を名目にとった組香に「仲秋香」があります。
名目だけを挙げておきますと【待宵】【望月】【不知夜】【居待月】【立待月】【臥待月】となっています。

それぞれ、陰暦(旧暦)では次の日になっています。
【待宵】…十四日
【望月】…十五日<十五夜、三五の月(3×5=15)とも…>
【不知夜】…十六日<不知夜で(いざよい)と読み、十六夜と同じ読みです>
【居待月】…十七日
【立待月】…十八日
【臥待月】…十九日<寝待月とも…>

月の名前はいろいろあって、とても面白いと思います。
「仲秋香」については、また後日ということで…。

※『すまいの歳時記』(講談社)より

19時30分頃、雲間にお月さまが見えました。