源氏物語絵巻

名古屋・徳川美術館で開催されている特別展「源氏物語の世界-王朝の恋物語-」を見てきました。(~12月16日まで)

展示物の目玉は、補修されて絵巻物になった国宝「源氏物語絵巻」。

江戸時代に絵巻物三巻の形で尾張徳川家に伝わった「源氏物語絵巻」は、1930年代の補修の際に絵(15場面)と詞書(ことばがき)を別々にして額装にされたそうです。
ところが、常時空気に触れることによって傷みが生じ、2012年から総事業費6600万円を投じて、詞書と絵でもって一巻とする全15巻の絵巻物に仕立て直す作業が行なわれているそうです。
事業は継続中で、2020年までかかるとか…。

特別展では、補修された絵巻物7巻と額装3場面が、Ⅲ期間に分けて展示されています。
今日展示されていたのは「蓬生」、「早蕨」、「東屋(一)」の絵巻物3巻と額装「横笛」の1場面でした。

※「東屋(一)」(朝日新聞12/4夕刊記事より)

『源氏物語』には、矢張り絵巻物の形が断然似合います。
素晴らしい修復です…。

各種『源氏物語』の伝本をはじめとして、様々な王朝物語の絵巻、各種源氏絵、源氏物語に因む美術品などなど、盛りだくさんの内容で「源氏物語の世界」を一望できるような特別展になっていました。

森下典子著『好日日記』が本屋さんに平積みされています。
副題「季節のように生きる」がピッタリの内容になっています。

二十四節気ごとに小題を付けて著した茶の湯のエッセイ集の趣きで、著者自ら描いた挿絵も素敵です…。