名美歳末チャリティ茶会(第2回)

名古屋美術倶楽部で行われた「第2回 名美歳末チャリティ茶会」に出かけました。
午前中は混雑するだろうと思って、午後のお席に入ったのですが、予定通りの空きぐあいでゆったり楽しむことができました。

今日の席主は、裏千家淡交会愛知第二支部と尾州久田流・下村瑞晃氏。

残月の間の床に置かれた花入れは、珍しい半枯れの一重切竹花入。
入れられていたのは、蠟梅と椿・窓の月(だったような…)。

「窓の月」は、一般には白花の「加茂本阿弥」と呼ばれる椿で、蕾が丸いことから尾張地方では「窓の月」と云われている種です。

両席とも、いろいろと話が弾んだ楽しいお席でした…。

香道の心得 ◆師走◆ (5)終り

 自庵では、歳暮香を終えると来たる春の喜びを祝いささやかではあるが赤小豆物を振舞い、御題香を進呈することにしている。また、古記録や香木、例えば正倉院御物で、かの高名な〝蘭奢待〟の、自蔵の一片を御目に掛けたりする。かつて伝来していたそれは、十一世の宝暦四年付の添文と共に流出(現、徳川美術館)したが、くしくもまた明治十一年、明治天皇の行幸の際截香されたものの一部を、由来書を添付し十五世に贈られた。それが現在のものである。これは聞香に供する分けにはいかないから見て戴くだけにしている。その間にもそれこそ〝ひととせの述懐や懐旧〟で尽きない。
大晦日、床に―鬼神感覚―云々の「香之十徳」を掛け、前に伝来の紐結びによる長寿の象徴、鶴亀と海老を遠山台に載せ飾る。床柱または間境柱には例の如く霊絲錦なり詞梨勒を下げる。いよいよ〝除夜の歳暮〟である。もう新春を待つばかりになった。

※宝暦四年は1754年、明治十一年は1878年です。一世紀以上の時を経ています…。

※「香之十徳」はネット上にたくさんあります。

※伝来の紐結びよる「鶴」「亀」「海老」の画像は、探せばどこかで見つかるかもしれません…。