立春です。

今日は二十四節気の一つ立春です。

暦の上では今日から「春」ということになります。
とは云うものの、風が冷たい日もあり、過去には立春後に雪が降った日もあったりでまだまだ要注意ですが、それでも少しづつ暖かい日が増えてくるので、だんだんと春めいてくるのが分かる立春です。

立春と聞くと、なんだか明るく華やいだ気分になるから不思議です…。(^O^)

尤も、日本に長く在住している英国人に「暦の上では春です」と云うと、「まだまだ春じゃないのに…」となかなか納得してもらえないようですが…。

カレンダーを見ると、今日2月4日は旧暦では十二月三十日の大晦日になっています。(勿論、たまたまの巡り合わせです。)
一日違いで、一月一日の元旦とはなりませんでした…。(惜しい…本当に惜しい!)
わずか一日ですが、いわゆる「年内立春」ということになります。

年内立春といえば、古今集の巻頭の歌が余りにも有名です。

年の内に春はきにけりひととせをこぞとやいはんことしとやいはん 在原元方

旧暦における年内立春は決して珍しいことではありません。
二十四節気の立春は太陽の運行を基にしていて大体2月4日ですが、旧暦は月の運行を基にしているので(適当に閏月を挿入して調整はしますが)旧暦一月一日は立春後になることもあれば、立春前になることもあります。

ところで、昨夜「鬼は外」と撒いた炒り豆は、午前中にキジバトが二羽やってきて、首をヒョコヒョコさせながらついばんでいました。
明日中にはなくなりそうな気配です。

香道の心得 ◆如月◆ (4)

 六十一種の名香は、その昔、宮中で着した襲(かさね)の、その色目を用いた色紙や絹地で包まれています。表が濃い紅、裏が紅梅色の梅襲は紅塵の香木を、表が桃色に裏が紅梅の桃襲は薄紅(うすくれない)を包み、有名な東大寺(蘭奢待)は袞龍(こんりょう)、楊貴妃は唐衣などと六十一種すべて包を違えてありますから、それを見ると中の香が何の名木であるかが分かるようにしてあります。かように香木は香りのみではなく、見方によっては他の面からも楽しむことが出来るわけです。
この香木を包む襲は香以外の分野にも活用され、例えば、桜重とか菖蒲・菊・紅葉重などは想像されますように、非常に色合の美しいことから、その色物をずらし重ね、それを銘とした和菓子が作られ、あるいは〝松重〟を抹茶の銘にされたりしています。