名香・名香

畑正高氏の講演会の記録を聞いていたところ「みょうごう」という言葉がサラリと出てきました。
「みょうごう?」
初めて聞く言葉で、ちょっと気になり、早速辞書を開いてみました。

みょうごう【名香】…仏にたてまつる香。仏前にたく香。

【名香】と書かれると、世に名高いすぐれた香の「めいこう」しか思い浮かびませんが、「みょうごう」という読みもあったのですね…。

ところで、めいこう【名香】と云われる香は、名香六十一種をはじめとして、名香百二十種、名香二百種、道誉所持百八十種、勅銘香などなど、その数たるや膨大です。
当然の如く、名香をできるだけ多く所持したい、とお考えになる方もいらっしゃるようです。
数年前、ある香席で席主さんが、六十一種名香の半分以上を蒐集した旨のお話をされた時、「えっ、そんなに…」と驚いたことを覚えています。

今日の名古屋の最高気温は21℃を越え、5月上旬の気温?
長崎ではソメイヨシノが開花したとのニュースがありました。
あれほど寒い寒いと云っていたのに、もうお花見のシーズンです。

植物もどんどん芽を出し、葉を出し、花を咲かせているようです。

※山芍薬

※ユキヤナギ(雪柳)

詩歌をちこち 【子日香】

|『拾遺和歌集』巻第一 春 24
| 入道式部卿のみこの、子の日し侍りける所に  大中臣よしのぶ
ちとせまでかぎれる松もけふよりは 君にひかれて万代やへむ

〔大意〕千歳までと寿命が限られている松も、今日からは、貴君の寿命にあやかって、万代までも生き長らえることになるのだろうか。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)

※大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)