詩歌をちこち(4)

今日は雑節の二百十日。
立春から数えて二百十日目に当る日で、嵐・台風を警戒する日となっています。
防災意識を高めるための一つの節目になっているようです。

朝夕はめっきり涼しくなった感があります。
個人的には、夏の疲れが出ているのか、blogの更新も少々お疲れ気味。
ひょっとしたら、全米オープンテニスの見過ぎかも…です。

1月末から始めた【詩歌をちこち】、これまでに取り上げた組香数は六十数組になるようです。(古今香、徒然香を含めて)
出処を調べきれなかったものも幾つかありますが、全て書写の形で今に伝えられてきたものですから、文言の相違は当然あってしかるべきものと思っています。
組香はゲーム性の強いものですが、当・不当で終らずに、組香が作られた背景、そこに引かれた詩歌などを知ることに、新たな発見や喜び、面白さがあるように感じています。(勿論、当たれば素直に嬉しいです!)

『杜甫全詩訳注(一)』(講談社学術文庫)にある句「心清聞妙香」のように、心清くして妙香を聞く心境を味わいたいものだと常々思っていますが、湧きあがる雑念は手強く、容易なことではありません。
でも、まぁ、楽しむのが一番です。(^O^)

矢車菊の植木鉢に見慣れぬ草花が丈を伸ばし、遂に花をつけました。
初めて見る花です。

早速「Google Lens」で検索したところ、タヌキマメ【狸豆】と判明しました。
素晴らしい!

詩歌をちこち 【初春香】

|①『題林愚抄』第一 春部一 80
|     有家
山のはのかすみを分けて出づる日の 長閑にめぐる千代の初春

|②『題林愚抄』第一 春部一 99
|  弘安御百首   隆博朝臣
末とほくかすむ空かないく千世と かぎらぬ御代の春やきぬらん

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)

※藤原有家(ふじわらのありいえ)
※藤原隆博(ふじわらのたかひろ)