花筏・替四季香

花筏の花が咲いています。
花を乗せた葉を筏にたとえての名だそうです。

雌雄異株の植物で、雄花の花弁は四個、雌花の花弁は三個となっています。

誠に風情漂う花で、花筏というネーミングも絶妙です。

コロナウイルス感染拡大防止のため、GW中の外出自粛が呼びかけられています。
名付けて「ステイホーム週間」。
解りやすく、頭の中に残るネーミングです。!(^^)!

ステイホームにあやかって、なにか面白い組香はないかしらん、と組香を眺めてみました。
以前、出香数の最も多い組香として25炷の「五常香」を取り上げた覚えがありますが、香種が多い組香は?で探してみたところ、どうやら「替四季香」あたりが該当しそうです。

香種は9種です。!(^^)!

【替(かわり)四季香】

◆香は9種
子日として 二包で内一包試
時鳥として 同断
七夕として 同断
千鳥として 同断
花紅葉として同断
客として  一包で無試
客として  同断
客として  同断
客として  同断

◆聞き方
試みを終えた後、出香9包を打ち交ぜて炷き出します。
客香は場所が合えば当りとなります。
※三十組の【星合香】で客香が聞き捨てであったことに似ています。

◆メモ
・四季の風物詩として、春の子日(ねのひ)、夏の時鳥(ほととぎす)、秋の七夕、冬の千鳥がそれぞれ香種になっています。
・花紅葉は、春の桜と秋の紅葉でしょうか、組香に彩りを添えていると思います。
・客香四種は無試なので、試みのあった五種と異なると思えば四つとも「客」と答えることになります。客香が四種あるということは、四季をイメージさせる香銘、あるいは香木を用意するということでしょうか…。(文字通り、連客が持参するのもきっと有りなのでしょう。)

因みに、「替」がつかない【四季香】の香種は、水・雲・月・嶺・中央の五種です。
四季を特徴づけるものとして、春は水、夏は雲、秋は月、冬は嶺となっていて、これらは『四時の歌』から引かれています。

『四時の歌』
春水
満四澤
夏雲多奇峰
秋月揚明輝
冬嶺秀孤松

この詩は陶淵明(とうえんめい)の作と云われていますが、顧愷之(こがいし)の作とする説が大勢のようです。