花が咲いた

「花が咲いた…」のお軸が久しぶりに床に掛かりました。

春爛漫と云いたいところですが、今日は西高東低の気圧配置となり、空を轟々と音を立てて風が吹き渡り、薄雲が足早に流れていく、少し肌寒い一日となりました。
木々は枝を揺らし、葉裏を返し、まさに青嵐でした。

花が咲くのは家の中、心の中だけではありません。
エビネが今年も時季を違うことなく、リアルに咲いてくれました。

エビネはお気に入りの花の一つです。
薄紫のエビネ、黄色のエビネ、そしてもう一種の三種のエビネが咲きそろいました。
ラン科の植物は花持ちがいいので、しばらく楽しめそうです。!(^^)!

4月も下旬となりましたが、コロナ禍は収束の気配を見せず、5月もお茶会、お香会の予定は立たないようです。
全国的な規模での各種行事も、片っ端から延期または中止となっています。
今は、ただただ「自衛」あるのみといったところでしょうか…。

京都・冷泉家時雨亭文庫の季刊誌に「オガタマノキ」の記事が載っていました。
大木の写真を見てびっくりです。

※中央の大木がオガタマノキ

今出川通りからも何回か見ているはずですが、オガタマノキとは知らず特に注意もしていなかったのは迂闊でした。
花には特徴があり、花が咲く春先に見ればそれと分ったかもしれませんが…。(言い訳!)

オガタマノキ【小賀玉木】はモクレン科の常緑高木で、二月~四月頃に芳香を放つ白い小花を咲かせると記してあります。

※オガタマノキの花

オガタマノキは古今伝授の「三木三鳥」の一つとなっています。

|『古今和歌集』巻十 431
み吉野の吉野のたきに浮かびいつる 泡をかたまの消ゆと見つらむ (紀友則)
みよしののよしののたきにうかびいづる あわをかたまのきゆとみつらん

※「三木三鳥」については、2018.12.13付の当ブログ記事「物名(もののな)」で取り上げています。

季刊誌には、冷泉家のオガタマノキは樹齢百年を超し、うろもでき衰弱しているため、専門機関に依頼してコブシに接ぎ木を試みたところ無事に育ち、今年2月にオガタマノキ後継苗木三本が里帰りするまでの経緯が記してありました。(まだ樹高は30~40cmとか…)

台は代を継ぐといったところでしょうか。!(^^)!

ところで、名古屋・徳川美術館に至る北門からのアプローチには「唐種(からたね)小賀玉木」が植えられています。
同じくモクレン科の常緑木ですが、唐種の方は高さ3~5mとありますから、ほどほどのサイズと云えそうです。
近づくと本当に良い香りがします…。

※トップページスライド写真の花がこれです!