シキミ【樒】

公園でシキミ【樒】の花に出会いました。
「え~、これがシキミの花?」

始めてみるシキミの花です。
これまで、仏前に供えられた枝葉を見ることはあっても、花は見たことがなかったのです。

淡い黄白色の結構にぎやかな花です。

シキミの葉は抹香の原材料として使われていますが、緑色の葉を裂いて匂いを嗅いでみると、独特の清冽な良い香りがします。

辞書によると、シキミの果実は猛毒で、「悪しき実」がその名の由来とか…。

シキミと云えば、属する科は異なりますが、ミヤマシキミ【深山樒】の花も真っ盛りです。
小さな四弁花を円錐状につけ、芳香を放っています。
こちらも、シキミ同様に有毒とか…。

茶書『南方録』-覚書-には、茶花には使わない花(禁花)の一つとしてミヤマシキミ【深山樒】が歌に詠み込まれています。

「花生(はないけ)に生けぬ花、狂歌に
・花入れに入れざる花はちんちゃうげ 太山(みやま)しきみにけいとうの花
・女郎花ざくろかうほね金銭花 せんれい花をも嫌うなりけり」

ミヤマシキミの花は、長期間咲き続けることから嫌われているのでしょうが、その名にも茶花として避けられる要因があるのかもしれません。
花の香りはいいのですが…。(^O^)

昨日放送されたEテレ「茶の湯 武者小路千家③ 茶室で濃茶の点前」は茶室に舞台を移しての「濃茶」でした。

釣釜に旅箪笥という定番の取り合わせで、床に掛けられた一行は「春来草自生」(春来れば草自ずから生ず)。
釣釜の趣向は、概ね表千家は4月で、裏千家は3月との認識はありましたが、三千家の一つ武者小路千家も3月でした。

コロナ禍のご時世に合わせて、座る間隔を空けて、お菓子は一人ずつに出され、そして一碗での回し飲みではなく一人一碗の各服点の濃茶作法となっていました。

既にそうしたものだという思い込みがあったからでしょうか、全く?違和感はなく想像通りの流れでした…。

近年、特に若い人たちの中で濃茶の回し飲みに抵抗感を抱く人が多いように聞いています。

ひょっとしたら、これからは濃茶も一人一碗の各服点がスタンダードになるかもしれません。(^^)