エビネ
地植えのエビネ【海老根・蝦根】が花開きました。
例年と比して半月ほど早い開花となっています。
お気に入りの花の一つです。
地下茎はバルブが連なっていて、エビの背のように見えることから、エビネの名があるとか…。
香道で用いる札の銘にも、えびね【他偸】があります。
『香道の作法と組香』(雄山閣)には、記録紙見本の中にえびね【地偸】の文字が書いてあります。
どちらの表記も国語辞典には載っていません。
『俳句歳時記』(講談社)には【海老根】の項に、【化偸草(えびね)】の文字があります。
また、ネット上の『趣味の園芸』には、エビネの別名の一つとして他偸草(たゆそう)が挙げてあります。
「偸」には「ぬすむ」という意味があり、地下茎を海老に見立ててエビネの名があることから、他偸・地偸・化偸のどれもそれなりに頷けるものがあるといったところでしょうか…。(^^)
札銘[春之部]です。
紅梅(こうばい)、緑柳(あおやぎ)、山桜(さくら)、紫蕨(さわらび)、菫菜(すみれ)、連翹(れんぎょう)、海棠(かいどう)、碧桃(もも)、辛夷(こぶし)、梨花(なし)、木蓮(もくれん)、瑞香(じんちょうげ)、他偸(えびね)、棣棠(やまぶき)、枸杞(くこ)、躑躅(つつじ)、郁李(にわうめ)、白藤(ふじ)、茼蒿(しゅんぎく)、玫瑰(はまなす)、五形(げんげ)、薊花(あざみ)、春蘭(しゅんらん)、岸柳(きしやなぎ)、貝母(ばいも)、楊柳(ようりゅう)、玉柳(たまやなぎ)、華櫻(はなざくら)、樺桜(かばざくら)、軒梅(のきのうめ)、山藤(やまふじ)
瑞香(じんちょうげ)や棣棠(やまぶき)などなど、漢名で表されている植物もいくつかあります。(^^)