炉開き

今日は遅まきながらの「炉開き」となりました。

一昨日の強い雨風を境にして、それまでの小春日和からは一転、一気に冬モードに突入の様相で、気温は10℃台前半、冷たい風が吹いています。

思えば、一昨日は二十四節気「小雪」でした。
「北国や山間部から初雪の便りを聞くようになる」と暦にはありましたが、まだまだ小春日和の日々が続くものと高をくくっていました。
ところが、今日の北海道名寄は大雪というニュースを見て、暦の読みの深さというか、先人の教えをあらためて思い知ることになりました。
尤も、当地東海地方で初雪を観測するのはもう少し先のことになりそうです…。(^^)

「炉開き」の掛物は、昌道筆「關 南北東西活路通」。(關は関の異体字)
読みは「関(かん)南北東西活路通ず」でしょうか。
「関はぴしゃりと閉めて何処へも通さぬ、という語気。それに対して東西南北どこへでも道が通じているという伸びやかな境涯。」と『茶席の禅語大辞典』(淡交社)にはあります。
コロナ禍にあっても気の持ちようで如何様にも活路はある、と勝手に世俗に引き寄せて捉えてその気になってしまいましたが良いのでしょうか…。(^^)

花は満天星躑躅の照葉、嵯峨菊、西王母の取り合わせです。

長板総飾りの趣向で、蓋置は定番の火舎(ほや)を取り合わせました。
七種蓋置の中で格上とされる蓋置で、台子や長板で用いられるものです。

今日は、主菓子に菊酒を添えて、炉開きを祝うことになりました。
主菓子「水仙」の上にある朱杯に入っているのが菊酒で、残菊の花弁を浮かべたものです。

菊酒は、到来物の「菊花の粉末」を酒に入れて一晩置いたものです。(菊花の粉末、ありがとうございます!)
酒は黄色く染まり、粉末は沈むものも有れば、浮いたままの物もあるといった感じです。

味わいは、まろやか、まったりといった感じでしょうか。
ほんのり菊の香りがする、乙なお酒に仕上がっていました。
これで、不老長寿間違いなしです。(^^)

 

月イチの和楽会は回数を重ねています。
継続は何とか、と云いますが、よくぞ続いたものだと感心します。

数年前から「茶の湯」に加わった「聞香」がいいアクセントになっているように感じています。
まぁ、無理をせずに…といったところでしょうか。ハイ。(^^)

そういえば、昨日は旧暦十月(亥の月)二の亥の日でした。
出典はすっかり忘れましたが、一の亥の日は武家の炉開きで、武家以外は二の亥の日であったような記憶があります…。