秋のお彼岸

今日は二十四節気の一つ「秋分」。
太陽が黄経180°の秋分点を通過する日で、太陽は真東から昇って、真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ等しくなる日です。

今日の名古屋の日の出は5:41、日の入は17:49、昼の時間は12時間+8分で12時間より若干長くなっています。
この理由としては、日の出は太陽の上端が地平線からから出る時刻、日の入は太陽の上端が地平線に沈む時刻であることから、太陽直径分を移動するのに時間を要すること、そして大気層による光の屈折の影響などが考えられるようです。 (深入りは禁物…)

また、今日は秋のお彼岸の中日。(生憎の雨模様!)
習いに従い、ご先祖様に「お萩」をお供えし、お参りをしました。

この時期、公園の彼岸花が茎をすっと伸ばし、燃えるような赤い花を咲かせています。

公園には白い彼岸花も咲いていますが、矢張り彼岸花と云えば赤い方が似合うように思います。
固定観念が強すぎましょうか。

昨日22日は雑節の「社日」、今週初め18日は七十二候の「玄鳥去(つばめさる)」(つばめが南へ去っていく)でした。
社日と燕と云えば、香道の組香「重陽香」の漢詩を思い出します。

燕知社日辞巣去
菊為重陽冒雨開

「重陽香」については、2017.9.10付のブログで紹介しています。

先日、何気なく読んだ古書の記述で驚いたことを一つ。
香炉の灰作りに[真・行・草]があることは、いくつかの出版物で既に明らかにされています。
でも、例えば「草」の灰など実際に見たことはなく、昔々のお話に過ぎないのかもしれないと思っていました。
ところが、古書の記述から推測すると、「草」の灰を用いるようなステージがちゃんとあるようです。(私には無縁ですが…)

真・行・草は、茶道、華道、香道などの伝統芸能の世界には付き物のようです。

香炉の灰つながりで、メディアを通して納得したことをもう一つ。
7月15日のNHKBSP美の壺「心を聞く 和の香り」の中で、御家流の香炉に陽・陰があることが紹介されていました。
御家流には、よく見る筋目を灰に付けた真の香炉と逆向きの筋目を付けた陰の香炉があることを初めて知り、なるほど!さもありなん!と妙に納得しました。

さて、香道で用いる香木を分類するのに、六国五味(りっこくごみ)という言葉をよく耳にします。
「六国」は香木の産出国に因んで名づけられたとも云われ、伽羅・羅国・真南賀・真南蛮・寸門陀羅・佐曽羅の六種類で、木所と呼ばれています。
「五味」は香りの特徴を五つの味覚で表したもので、甘・苦・辛・酸・鹹とされています。

香木にも陽・陰があり、きちんと使い分けられることがあるようです。
陽:伽羅・羅国・寸門多羅
陰:真南賀・真南蛮・佐曽羅

五味は[木火土金水]の五行説に基づいているようです。
五行 五味
木  酸
火  苦
土  甘
金  辛
水  鹹

室町時代に端を発した香道には、五百年経った現在でも陰陽五行があちらこちらに纏わりついているようです。

でも~、なんだか縁遠いようですね~。 (^^)