黄鶯睍睆・初音香
今日は(から)七十二候の「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」(うぐいすが鳴き始める)。
黄鶯(こうおう)はコウライウグイス【高麗鶯】の異名。
※『日本の野鳥』(小学館)より
雌雄ともに美しい黄色の鳥で、鳴き声がよいことからウグイスの名があるとか…。
日本では少数が旅鳥としてまれに訪れ、対馬などではほぼ毎年見られる、と辞書にはあります。
また、睍睆(けんかん)は、声のうつくしいさま、うるわしいさま、とあります。
うぐいす【鶯】がその年初めて鳴く声は「初音」。
初音と云えば、徳川美術館蔵「初音の調度」の名として、一木三銘(四銘とも)で名高い香木の名として、また「源氏物語」第二十三帖の巻名としても知られています。
そして、香道の組香には「初音香」があります。
◆香は四種
春として 四包で内一包試
霞として 三包で無試
花として 同断
鶯として 一包で無試
◆聞き方・記録紙の名目など
春の試みを聞いた後、
①春一包と霞一包の計二包を打ち交ぜて炷き出します。
二炷とも当りなら記録紙に「初霞」と書きます。
②春、霞、花の各一包の計三包を打ち交ぜて炷き出します。
三炷とも当りなら記録紙に「初花」と書きます。
③春一包、霞一包、花二包の計四包を打ち交ぜ、内一包を捨て、これに鶯一包を加えた四包を打ち交ぜて炷き出します。
四炷とも当りなら記録紙に「初音」と書きます。
本香を先に開き、記録紙の銘々の聞きは当たりのみ書きます。(名目または春、霞、花、鶯)
点数の処には、全当りには全、その他は点数を書きます。
◆記録紙
| 霞 春 花 鶯
| 霞
| 春 花 霞 春
名 初霞 初花 初音 全
名 初霞 霞 花 鶯 六
| 霞
今年は、鶯の「初音」をまだ聞いていません。
近いうちに聞けるでしょうか…。 (^^)
唱歌「早春賦」そのものの日々です
春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず