春うらら

うららかな春の日、名城市民茶会に出かけました。
入場券付きの名古屋市民茶会の券を持っていた私は、券売り場の行列に並ぶことなく城内に入ることができましたが、城内は国内外の花見客で溢れかえっていました。
皆さんほとんど一様に、満開の桜と名古屋城を写真に収めているようでした。 (^^)

市民茶会が行われている茶苑にはゆったりとした時間が流れていました。
混雑しているのでは?…と心配していましたが全くの杞憂でした。
お話を伺ったところ、先週日曜の市民茶会は大混雑だったとのことでしたが、今日はとてもスムーズに流れているようでした。
広間席前の廊下に座って待つ人がいなかったので、「あれっ…」と拍子抜けしたほどでした。

猿面席の席主さんは志野流・堀口宗然氏でした。
床に掛けられていた先代家元・幽求斎宗由宗匠の「行雲」(行雲流水)は今日の日和にぴったりでした。
お花は黒文字と貝母。
黒文字の花の蕾は始めて見ましたが、楚々とした佇まいは、同じクスノキ科の青文字の花の賑やかさと異なっていて、如何にも黒文字と感心しました。 (^^)

野立席の席主さんは裏千家・庄司宗文氏でした。
一段高く設えた手前座で、お点前は千歳盆の趣向。
茶杓の説明にはちょっぴり熱が入っていました。
なんでも、インドの竹林精舎の竹を持ち帰って削ったもので、立花大亀老師から銘「阿難」を頂かれた茶杓だそうです。
「阿難」は釈迦の十大弟子の一人とか…。

※瓶掛けは版木を繋いだもの

扇面は淡々斎書「花朝 月夕 随時 樂」、花はリキュウバイ【利休梅】と紫菜花でした。

ぽかぽか陽気の穏やかな一日、久しぶりの名城市民茶会を楽しませていただきました。 (^^)