源氏五十四帖茶陶展

今日は旧暦のお正月・一月一日。
TVニュースでは中国・台湾の「春節」休みに伴う訪日旅行客の様子が報じられていました。
時々、旧暦云々と云っている当方ですが、「旧正月」はイマイチ盛り上がらずスルーとなりました。 (^^)
「立春(今年は2月3日)前にお正月が来たので、今年は「年明け立春」だね~」なんて呟いたぐらいでしょうか。

名古屋・古川美術館で「源氏五十四帖茶陶展」が開催されていて、見逃してはならずとばかり観てきました。(2月9日まで)
即全こと十六代永楽善五郎(1917~1998)が手掛けた源氏物語五十四帖に因む珠玉の茶陶作品展です。

※チラシの作品は「冠香炉」(9帖「葵」)

作品は多岐にわたり、どれをとっても意匠デザインは素晴らしいの一言に尽きます。壮大、緻密、繊細…すべてを凌駕してあまりあり!
出品目録を見ると、水指、花入、鉢、茶碗、菓子器、香炉、置物、皿、香合、茶壷、茶器、喰籠などなど、茶の湯で使われる陶製の道具が網羅されています。
金襴手手桶水指、青交趾小松の絵喰籠など、幾つかの作品は『茶道雑誌』や『同門』で見たような覚えがあります。
何れの作品も源氏物語の各帖を読み込んだ上で採られた意匠デザインとなっていて、ただただ見惚れ感嘆するばかりでした。
久しぶりに目の保養をさせていただきました。ハイ。

■外組9番【夏月香】

香四種
首夏として 四包に認め内一包試
仲夏として 右同断
晩夏として 右同断
月 として 三包に認め無試

右、試香三種終りて出香、首夏、仲夏、晩夏の九包を打ち交ぜて、三包づつを上旬、中旬、下旬と三段に分けて、右三段の内へ月の香三包打ち交ぜて一包づつ加え、四包として打ち交ぜ炷き出すべし。右三段、試みに合せ名乗紙に書き付け出す。札にても聞くべし。時宜によるべし。月の香の名目あり。左の如し。

一段の月ばかり当り二段三段の月不当は聞の中段に三ケ月と書
同一段二段当り終り不当は 待宵 と書
同二段三段当り一段不当は 不知夜と書
同三段ばかりの当りには  残月 と書
同二段ばかりの当りには  雲間月と書
同一段三段の当りには   水上月と書
同三段ともに当りは    有明 と書
同三段とも違ひには    梅雨 と書
同全の人には       夏月全と書
同無の人には       晦日 と書

又一説に左の名目あり。
首夏の香三種の通りには  卯の花と書
仲夏の香同断なれば    時鳥 と書
晩夏の香同断なれば    薫風 と書

右三品とも、始めの月の名目の傍らに書くとあれども面白からず。時宜見合わせたるべし。尚、記録の面にて能々順知あるべし。左のごとし。

(記録例 略)

きろく是に順ずべし。