立春大吉

今日は二十四節気の「立春」。(黄経315度)
天明七年の『暦便覧』に「春の気たつをもって也」とあるように、暦の上では今日から春ということになります。

今日は「立春」ですが、旧暦ではまだ十二月二十五日。
旧暦の年内に立春を迎えるという所謂「年内立春」となっています。

『古今和歌集』の巻頭歌は年内立春を詠んだ歌。
ふるとしに春たちける日よめり  在原元方
年の内に春はきにけりひととせを こぞとやいはんことしとやいはん

そういえば、組香「歳暮香」の名目の中に「年内立春」があります。
[年ウ年]を聞き当てたときに記録紙に記される名目です。
年ウ年で年内立春…、なるほどなるほど、味わいのある名目になっています。

昨年は旧暦二月の後に閏二月があり、旧暦の一年は十三ヵ月となったことから、当然のごとく年内立春というわけです。
そうそう、旧暦の閏月は「十九年に七回」の割で挿入されています。(メトン期!)
過去には、ラジオ番組で十二年に七回と放送されたことがあり、「ん…」と思っていたところ、直ぐに訂正がなされたことを思い出します。

今日は「立春」を祝って、玄関に「立春大吉」のお札を吊るしました。
年初に催される「聞香始」の点心席でいただいたお札です。

『季節を愉しむ366日』には、「立春大吉の文字はすべてが左右対称で、裏から見ても立春大吉と読める。そのため、一度門をくぐった鬼がまだ中に入っていないと勘違いして出て行ったという逸話から、厄除けになるとされる。」とあります。
厄除けになるならば、と何枚もある「立春大吉」のお札を束にして吊るした次第です。 (^^)

公園の散策路脇に、マンサク【満作】の花が咲いていました。

和名は「豊年満作の満作の意で、枝いっぱいに花をつけるところからとも、春早く「まっさきに」咲く花の意ともいう」と、『日本国語大辞典』にありました。
この時季、茶花としても珍重されるマンサクの花です。

梅の花も見ごろを迎えています。

春です。 (^^)