大樋焼×森八
昨日、「大樋焼」第十一代大樋長左衛門(年雄)氏と老舗菓子舖「森八」第十九代若女将・中宮千里氏の対談がZOOMウェビナーで無料配信されました。
金沢で開催されている「地域活性学会」の大会プログラムにある「フィールドリサーチレポート」中の動画です。
動画(約30分)は金沢の町の映像が流れた後、以下の内容となっていました。
・茶話会「大樋焼」第十一代大樋長左衛門氏、加賀藩御用菓子司「森八」(約15分)
・銭谷五兵衛記念館
・金沢港クルーズターミナル
・金沢学生のまち市民交流館
・観光ボランティアまいどさん
対談は床前に置かれた床几に腰かけて行なわれたもので、約15分間に編集されていました。
床の掛物は「松樹千年寿」、裏千家当代家元筆と推察しました。
「森八」は1625年創業の老舗和菓子店で落雁「長生殿」は日本三大銘菓の一つとして知られています。
「大樋焼」は1666年加賀藩に召された裏千家四代仙叟に同道した一入の高弟・長左衛門が、後に大樋町に開窯した楽焼窯元。黒楽・赤楽とは異なる飴釉の楽焼を創り出した元御用窯です。
共に、金沢の地で三百数十年にわたる長い歴史と伝統を誇る両家です。
今でこそ老舗ですが、創業当時は何か新しいもの、時代の最先端を追い求めていたのではないか、という指摘は新鮮でした。
「伝統」を受け継ぐことについての思いは格別でした。
若女将の言葉の中に、伝統を守るということは、灰を崇拝することではなく、常に火を燃やし続けて前に進んでいくこと、新しいことにチャレンジしていく姿勢を欠かさないこと、というような言葉がありました。
引用されたチャップリンの言葉はいい得て妙でした。
「私の最高傑作は次の作品だ」
対談を視聴しながら、かって同じような意味の言葉を聞いたことを思い出しました。
2012年に名古屋で催されたシンポジウムで、両口屋是清の創業家十三代・大島千世子氏が、東京へのカフェ出店を例にして「伝統とは革新の連続」と話されたことは今でも記憶の中にあります。
また、2019年に京都五山送り火のNHK番組の中で、京都・冷泉家の25代当主・冷泉為人氏が語られた言葉「不易流行」には心から納得したものです。
私自身、のほほんとした日々の中、何か新しいモノ・コトを始めたら…、などと思わないでもありませんが、一晩寝たら忘れてしまいそうです。ハイ。(^^)
ツバキ「炉開き」の一番咲きです。
早すぎっ!