恋の香

朝方の冷え込みは厳しく、植木鉢には霜が降り、水たまりには薄氷が張りました。
記憶に無いので、恐らくこの冬初めての薄氷です。

薄氷と云えば、冬季限定の銘菓「うすらひ」を思い出します。
名古屋「亀末廣」の看板商品でした。

現在は、暖簾分けされた菓子舗「亀広良」さんが、その「うすらひ」の製造を受け継いでおられるようです。
この冬こそ一度訪れたいと思っていますが、さてさて…。

ところで、アップを続けている香道一口メモですが、一口と云いながら内容は細部にまで及んでいます。

香道一口メモ・109【恋の香】

逢えば増す、忍び通う、別れを思う、契りを悔やむなどの文字を聞きの次第により組み合わせ、さまざまな恋の形態を記していく「恋題歌合香」は心をときめかせる。四季比翼香は雉(きじ)・くいな・雁金(かりがね)・千鳥の四鳥を題に、それぞれ二片ずつ、計八包を聞く式。一双当てると高点。初恋、待つ、忍ぶ、増す恋などとの小札で即座に恋を表現する。

◆恋題歌合香
逢えば増す、忍び通う、別れを思う、契を悔やむ、などとは確かに心がときめく言葉です…。

逢増恋として 三包で内一包試
待恨恋として 同断
忍通恋として 同断
別思恋として 同断
契悔恋として 同断
不逢恋として 一包で無試

文字を聞きの次第により組み合わせるという答え方に最大の特徴があるようです。

◆四季比翼香
比翼と云えば、すぐに「比翼の鳥、連理の枝」を連想してしまい、おどろおどろしい世界に引きづり込まれそうになります。

雉子として 三包で内一包試(きぎす…春)
水鶏として 同断     (くいな…夏)
雁金として 同断    (かりがね…秋)
千鳥として 同断     (ちどり…冬)

小札の札表には、初恋、忍恋、契恋、祈恋、待恋、逢恋、暁恋、増恋、馴恋、別恋があるようです。
良く考えられた何とか恋ですが、失恋がないのはあまりにも当然?…。<m(__)m>

※水鶏(くいな)
※新ヤマケイポケットガイド野鳥