「下座出足」考

茶席に入る時、あるいは茶席から出る時の足の運びは流派によって定めがあり、例えば裏千家流では立って茶席(部屋)に入る時は右足で敷居を跨いで入り、立って茶席(部屋)から出る時は左足で敷居を跨いで出るといった具合のようです。

香道志野流では「下座出足・上座引き足」という足の運びについての言葉を聞くことがあります。
例えば、香席(部屋)へ入る時、香席(部屋)から出る時、どちらの足で敷居を跨げば良いのか、初めのうちは案外戸惑うものですが、その基準・原則が「下座出足」ともなっているようです。

先日のblog[もじえもじ]にも記しましたが、私が理解している原則は次のようです。(誰の保証もありません。私の思い込みです。)
(1)出入り口の柱(柱付)が絶対の下座であること。
(2)お客が定座についていない間は、床が上座であること。(例えば、香元・執筆が手前道具を運ぶ時)
(3)お客が定座についた以降は、正客が上座となること。

今回は、席(部屋)の出入りの場合に限って「下座出足」を考えてみたいと思います。
この場合の「出足」というのは、どちらの足で出入り口の敷居を跨ぐかということを表す言葉になり、下座(下座側)の足で跨ぐことを意味していると理解しています。
「下座」が分かれば、そちら側の足で敷居を跨げば良いことになります。
しかし、席(部屋)の造りによって「下座(側)」の考え方は右側・左側と一概には云えないので、そこで重要な目印となるのが出入口の柱で、上記原則(1)であると理解しています。

図を用いて考えて見ることにします。(便宜上、八畳の部屋にしました。)

[A]出入口が上図①の場合
・席(部屋)へ入る時は、右足が柱側(下座側)になるので、右足で敷居を跨いで入ります。
・席(部屋)を出る時は、左足が柱側(下座側)になるので、左足で敷居を跨いで出ます。

[B]出入口が上図②の場合、
・席(部屋)へ入る時は、左足が柱側(下座側)になるので、左足で敷居を跨いで入ります。
・席(部屋)を出る時は、右足が柱側(下座側)になるので、右足で敷居を跨いで出ます。

とってもシンプルです。(上記は誰の保証も得ていないもので、すべて私の思い込みによるものです。)

因みに、茶道・裏千家流の席(部屋)での立っての出入りは、上図①・②どちらの場合も、右足で入り、左足で出ることになるかと思います。

要は、慣れです!…なんちゃって。(^O^)

※とんでもない思い込み、思い違いをしていないことを願うばかりです…。