台風一過

非常に強い台風21号でした。
特に、通過した近畿地方に甚大な被害を与え、関空の浸水被害や関空連絡橋へのタンカー衝突、車の横転、工事現場の足場倒壊等々、TVニュースでは繰返し放送されています。
東海地方でも、昨日は雨と共に猛烈な風が吹き、ゴーという風音を聞く度に思わず身構えるほどでした。

今日は台風一過の爽やかな秋晴れと云いたいところですが、最高気温が33℃を越える結構暑い一日となりました。

今年、鉢に植え替えた一重咲きの貴船菊(秋明菊)が蕾をそろそろと膨らませています。

香道の心得 ◆長月◆ (3)

 泉殿は、現在は弄清亭として明治二十八年の再建で歴史は新しい。しかし、香室は普通、書院形式に則した広間であれば少なくとも事足り、殊さら専用の間を造作しない中にあって、数少ない貴重な香室といえる。
泉殿における「六番香合せ」の座敷飾りが如何様であったかは知らない。そこで今風に、月見の宴に合せ弄清亭に飾り付けをするならば、床には藤原光成の筆になる宗信の観月の画に

早知浮世籌  はやく浮世のちうを知り
舊業一時休  きゅうぎょう一時休む
把定江湖月  はを定め江湖の月
扁舟得自由  へんしゅう自由を得たり

と茶人、香人であった藤村庸軒賛の一幅を掛けてみる。

※弄清亭(ろうせいてい)
「泉殿(弄清亭)は義政公お好みの香座敷であり、公はここで香を聞き、歌を楽しんだ。現在にいたるも、志野宗信を祖とする志野流香道の香座敷となっている。」~銀閣寺パンフレットより~

志野流香道家元・松隠軒の香座敷(10畳敷)は、弄清亭座敷の写しと聞いています。
平成八年に銀閣寺・弄清亭は改築されて、床、床脇、襖には奥田元宋画伯による日本画が描かれ、座敷の雰囲気は松隠軒とは若干趣きを異にしているようです。
また、銀閣寺・弄清亭は茶の湯にも使用できるように炉が切ってあり、床脇には違い棚も設けられていることがパンフレットから分かります。

<銀閣寺パンフレットより>

※藤村庸軒賛の一幅は、『松隠』47号の「香人伝」に掲載されています。

早知浮世壽
舊業一時休
把定江湖月
扁舟得自由

元禄十年丁丑九月上旬志野宗信畫像賛
反古庵庸軒