熱田神宮献茶祭

名古屋・熱田神宮の祭礼行事「熱田まつり」の一環として献茶祭が行われ、合わせて設けられた拝服席、濃茶席、薄茶席に行ってきました。
献茶式は表千家・左海大(ひろし)宗匠、拝服席は吉田生風庵、協賛席の濃茶席は松尾流・松尾宗典氏、薄茶席は遠州流・丸山宗翠氏でした。
午前中の大混雑を予想して、午後一時頃に受付へ行ったのですが、濃茶席を待つ人々の長い順番待ちに、濃茶席はパスと一時は諦めたのでした。

拝服席に直ぐに入って一服いただき、次いで薄茶席へ移動、こちらは一席待ちでした。
寄付きに掛けてあったのは細身の一行物で「青山元不動白雲自去来」の対句。
比較的よく目にする禅語ではありますが、思わず唸ったのは、白雲の雲の字。
「白」の字は独特の崩し字ながら読みとれましたが、「雲」は単独では凡そ読みとれない崩し字でした。(写真が無いのが残念!)

でも、この崩し字だからこその軽やかさが感じられ、雲の動きをも表現しているように思ったのでした。
お茶会に出かけると、思いもよらぬ一品に出会うことがあり、それが楽しみにもなっています…。

濃茶席の掛物は「風吟一様松」(風一様の松に吟ず)。
元は五言八句の「寒山詩」の五、六句を対句とした「泣露千般草 吟風一様松」(露に泣く千般の草 風に吟ず一様の松)の一句です。
寒山といえば、天台山に住んでいた寒山・拾得を思い出します。

神宮苑に咲いていた花です。

※ガクアジサイ【額紫陽花】

※ビヨウヤナギ【未央柳】

今日は献花式も執り行われたようで、各流派の生花が展示されていました。
何故か、傍らに可愛い舞楽鈴が飾ってありました。

※迦陵頻(かりょうびん)・胡蝶(こちょう)、蘭陵王(らりょうおう)・納曾利(なそり)

5月下旬から読み始めていた髙田郁(かおる)「みをつくし料理帖」をやっと読み終えました。
メデタシ、メデタシの大団円でしたが、付録の番付がめちゃくちゃ洒落ていました。(読んだ人にしか意味が解らないところが辛いのですが…)

江戸時代には各種番付が流行っていたようですが、最高位は表にもあるように「大関」です。
相撲の番付も同様で、番付表に「横綱」が「大関」の上の階級として記されるようになるのは明治23年(1890)からです。

番付で思い出すのは、2013年に愛知県陶磁資料館(現:愛知県陶磁美術館)で催された「形物香合」展。
下の形物香合一覧は安政二年に出たものですが、最高位は矢張り「大関」で、東が「大亀」、西が「辻堂」となっています。
思えば、力の入った素晴らしい展覧会でした…。