七夕の節供・冷泉家の乞巧奠

7月7日は七夕の節供。
五節供(人日の節供(1/7)、上巳の節供(3/3)・端午の節供(5/5)・七夕の節供(7/7)・重陽の節供(9/9))の一つです。
元はと云えば旧暦の各日に行なわれていた行事ですが、明治五年の改暦に伴ない、新暦(現行のグレゴリオ暦)の各日付にそのままスライドされて今日に至っています。
とはいえ、名残でしょうか、新暦・月遅れ・旧暦の三通りで、節供はそれぞれ楽しまれているようです。

江戸時代には七夕と書いて(シチセキ)と読んだ星まつりの日。
牽牛星(彦星)と織女星(織姫)が年に一度の逢瀬を果たす日。
天の川を舟で渡るとか、カササギが翼を広げて橋を架けるとか、お話はいろいろあるようです。

この時季、茶の湯では「七夕茶会」が好んで催されるようです。
裏千家流で、十一代玄々斎好みの花入「末広籠」の受け筒を水指にして、特に梶の葉を水指の蓋に用いる点前は趣向に富んでいると思います。(「梶」を天の川を渡る舟の「舵」にかけて…)

※梶の葉

香道では【七夕香】【星合香】【七炷香】などの組香が好んで行なわれるようです。
特に【七夕香】では、ゆかりの掛物を床に掛け、五色の糸巻きや五色の布、和琴や梶の葉を浮べた角盥、野菜などの供え物を床に飾り、更には和歌を短冊に認めて笹竹に飾るという、見た目にも美しい、手の込んだ趣向となっています。

今日は習いに従って、技芸などの上達を願い、笹の葉に五色の短冊を結び、星に祈ることにしました。(^O^)
下の写真は、昨日、名古屋・徳川園の南門越しに写した七夕飾りです。

ところで、旧暦七月七日に京都・冷泉家で例年催されている「乞巧奠」(きっこうてん)が、今年は京都府民ホールアルティで8月8日(木)に行なわれます。
チラシによると、昼・夜二回の舞台公演となっていて、内容は蹴鞠、雅楽、披講(和歌の朗詠)、和歌の贈答、そしてヴァイオリニスト・石上真由子の特別出演となっています。(チケット代:6000円)

思えば2017年8月、くじ運に恵まれ、冷泉家での「乞巧奠」を見学する機会がありました。

庭に設えられた「星の座」の祭壇には、山の幸・海の幸も置かれていましたが、その配列などは歌になっているそうです。
うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかづ むしあわびたひ
(瓜・茄子・桃・梨・空の杯・豇豆・蘭花豆=油で揚げた空豆・蒸鮑・鯛)
初秋の行事ですから、祭壇には秋の七草も飾られていました。
雅楽の演奏、披講(和歌の朗詠)、流れの座(天の川に見立てた白布を間に向かいあった男女が互いに和歌を贈答)など、興味津々の催しでした。

夕方からとは云え、日中の暑さは残っており、障子は開け放たれていましたから、クーラーはほとんど効かない状態で、暑かった覚えがあります。(演じられる方々は古式の衣裳でしたから、さぞかし暑かったと思います。)
今年の公演は京都府民ホールですから、バッチリ冷房完備でしょう。(^O^)

今年は8月7日が旧暦七月七日にあたり、翌日8月8日(木)が立秋となっています。
公演は8月8日、秋が立つ日となっています…。

公演のチケット取り扱いは「チケットぴあ」。
「冷泉家時雨亭文庫」ホームページには、以下の案内が載っていました。

・公演タイトル:冷泉家の乞巧奠
・Pコード:643089

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1929814