土用丑の日は鰻

今日は土用の丑の日。
暑気払いとして「鰻」を食する日?となっているようです。

由来については諸説あるようですが、「エレキテル」で有名な平賀源内が、相談に来た店主に「う」のつく食べ物を推奨し、うなぎを看板にしたところ店は大繁盛したというお話が、私的には一番気に入っています。

名古屋では「ひつまぶし」が有名ですが、「うな重」や「鰻丼」にも根強い人気があるようです。
個人的には矢張り「鰻丼」でしょうか…。

土用は、五行説の[木・火・土・金・水]に対応する五時「春・夏・土用・秋・冬」の一つとなっています。(20日のblogでも記事にしました…。)

香道では、五行説に因む組香として【五色香】【五方香】【五行香】【五音香】【五常香】などがあるようです。
中でも、【五行香】は[木・火・土・金・水]をそのまま香名に採っている組香となっています。

詩歌をちこち 【五行香

|『拾遺愚草員外(定家)』
| 十五首歌  379~383

|木
国とめる民のかまどの煙にも 外山の木木のもとぞしらるる
〔大意〕国が富んでいることを物語る人民のかまどの煙にも、外山の木々が薪となっていることが知られる。

|火
ふかき夜の道にさきだつ松の火の 光をおくる契りばかりや
〔大意〕私達の間柄は、深夜の道に先立つ松明の火の光を見送るだけの契りなのでしょうか。

|土
わきそめしはじめもしらずあらかねの 土よりなれるよもの海山
〔大意〕土から出来ている海山は、創生した原始の昔も分らない。

|金
霜さえて月かげしろき風のうちに おのが秋なるかねのおとかな
〔大意〕霜が冷たく冴えて月光が白く射し、風が吹いているうちで、いかにも自分の秋だとばかり鳴る鐘の音がする。

|水
行へなき山のしづくの露ばかり ながるる水のすゑのしらなみ
〔大意〕どこへいってしまうかも分らないような、わずかの山の雫の露が水流となって流れて、末には白波を立てるようになるのだ。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『藤原定家全歌集 下巻』(河出書房新社)