百尺竿頭進一歩

百尺竿頭進一歩
百尺(ひゃくしゃく)竿頭(かんとう)に一歩を進む

表千家の機関誌『同門』に掲載されている家元内弟子による記事「清らかな茶の楽しみ」の初回を飾っている禅語です。

「百尺竿頭の先では、前に歩けば落ちる、後ろに退いても揺れて落ちる。そこで、何ができるかを考えることが大切で、現状に満足せずに、更に茶の湯の道を邁進すべしと解することができるでしょう。」との説明がありました。

まことに、まことに、……です。

更に、鋭い問いかけがありました。

「普段の稽古場や講習会においては、亭主は先ず水屋で手を洗ってから服紗をつけて準備をします。しかし、今、一番気がかりなのは、客が席入りする前にもう一度、手を清めるという習慣がかなり少ないように思えることです。わび茶の最も大切なことを忘れてはなりません。」

気にすることがなかった視点に、思わずハッとさせられました。
亭主の心得のみならず、客の心得としても全く同様で、普段の稽古や茶会などでも「手を清める」視点を心したいものだと思いました。

「手を清める」ことは、心を清めることに通じるかも…。(^^)

8月1日に東海地方の梅雨明けが発表されてから、最高気温30℃超えの暑い日が続いています。
植物も息絶え絶えで、朝昼晩の水やりが欠かせません。
ムクゲ、ヒオウギ、朝顔、金水引、ツユクサ、セージ、ヤブランなどが元気に花を咲かせています。

7月から始めていた「香銘大鑑」の下調べがやっと終わりました。
膨大な数にのぼる「香銘」の一つ一つに、読み、意味、木所などが添えてある圧巻のデータベースです。

調べた範囲内では、読みが不明なものが二つありました。
「十二二」と「十八葛」です。
何んと読むのでしょう。?

読みが面白い香銘はけっこうありますが、「梅雨」もその一つ。
この香銘は「四季雑香銘集」にも収められていて、「さ」で始まる香銘となっていました。
普通に読めば(つゆ・ばいう)あたりでしょうが、「さ」で始まる読みとなると今まで見当がつかなかった香銘です。

「香銘大鑑」の中に読みがありました。
「梅雨」の読みは、さつきやみ。【五月闇】
「五月闇」の意味は、「五月雨(さみだれ)、すなわち梅雨(つゆ)のころの夜のくらさ。また、その暗闇。」と辞書にはあります。

とんでもない「読み替え」で、およそ手に負えない「変化球」です。(^^)

ツユクサ【露草】の花が咲いています。
別名は、ほたるぐさ【蛍草】、ぼうしばな【帽子花】など。
漢名は【鴨跖草】となっていますが、香道の札銘では【鴨跖】と書いて(ぼうしばな)と読ませています。