藤袴のドライフラワー

アサギマダラが飛来することをひたすら待っていた藤袴ですが、今年も願いは叶いませんでした。
例年のように、ドライフラワーに仕立てることにしました。

香草と云われている通り、とてもいい香りがします。

表千家機関誌『同門』11月号に興味深い記事がありました。
茶事の眼目である濃茶の飲みまわしは利休が始めたとされていますが、江戸時代に書かれた茶書に次の一文があるそうです。

「むかしは濃茶を一人一服ずつにしてたてしを、その間あまり久しく主客共に退屈なりとて、利休が吸茶に仕そめしとなん」
【大意】昔は濃茶を一人ずつに点てていたが、その間時間がかかって客が退屈するというので、利休が吸茶を始めたのである。

吸茶(すいちゃ)は所謂飲みまわしのことで、天正時代(1582~)の利休晩年の茶会記にはたびたび登場するそうです。
勿論、単なる時間の問題ではなく、濃茶を飲みまわすことによって、一座建立を図る目的があったことは想像に難くありません。

コロナ禍の収束がみえない現状では、濃茶の飲みまわしは叶いそうにありません。
次善の策として、濃茶を一人ずつに点てて出すという方法が採られているようです。
初釜も然りとか…。

コロナ禍が終息することを切に願っています…。