送り火

今日16日は月遅れのお盆・送り火の日。
明るいうちに無事お帰りできるように、朝一番に送り火を焚きました。

京都・五山の送り火はBS二局で生中継されていました。
今年もコロナ禍にあることで、規模を縮小し、点火する火床の数を大幅に減らしての送り火です。
文字や形となっていませんが、大文字だけは火床を繋げていけば文字が想像できるような火となっていました。

TV中継の大文字、妙・法、船形、左大文字、鳥居形の火を眺めながら、お盆が終わったことを実感しました。
大文字は6個、鳥居形は2個、他は1個の火床での送り火でした。
そういえば、ずいぶん昔、京都駅ビルの屋上から五山送り火を眺めたことを思い出します…。(^^)

※NHK・BSPの「京都五山送り火2021」より

『茶道雑誌』(河原書店)八月号に、京都・もとやま畳店のこだわりとして、茶室畳の目数六十四目についての記事が載っていました。

茶室畳の幅(半間)の目数は六十四目と云われています。

実際に確かめる機会は滅多にありませんが、以前、京都迎賓館を見学した際に和室の畳の目数を数えたところ、中継ぎ表の最高級品で、確かに縁内六十四目で作られていました。
現在では、六十四目は特殊と云っても過言ではなく、江戸間(五ハ間)で作られることが多い一般住宅の畳の目数は六十もない処が多いのではないでしょうか…。

記事では、六十四目の由来として、易の八卦を重ねた六十四卦にあるのではないかという考察でした。※<参考2>

また、その「六十四目」も「縁六十四目」とする解釈と、「縁は一寸。縁に隠れている部分も含めて六十四目」(即ち、縁六十目)とする解釈があるとして、記事では茶の湯の道具の置き方から考察・計算して後者、即ち縁内六十目の考え方を唱え、それに合う畳の提案もなされているようです。

茶の湯において、また香道において、畳の目数は所作の目安として大切な役割を果たしています。

「畳縁から16目」とか「縁内5-7目」、また「縁内1目」「縁内3目」などは茶の湯でよく聞くところです。
香道でも「縁内1目」「縁外2目」などは普段よく聞くところです。

個人的には、一畳の大きさが広いとか狭いとか気になることはありますが、一畳の目数の総数についてはあまり気にならないというのが本当の処かもしれません。(^^)

そもそも、昨年から続くコロナ禍で、大寄せのお茶会、お香会は開かれず、お席の畳に座って目数を数えるような機会がありませぬ。(^^)

<参考1>
一畳の大きさは、京間で作るか、中京間で作るか、江戸間で作るかによって全く異なります。
また、同じ江戸間の八畳と云っても、A宅とB宅では寸法が全く同じとはならず、必ず部屋を採寸した上で畳は作られています。
一畳の大きさの目安となる寸法は以下の通りです。

・京間 六尺三寸×三尺一寸五分(約191cm×95.5cm)
・中京間 六尺×三尺(約182cm×91cm)
・江戸間 五尺八寸×二尺9寸(約176cm×88cm)
※一尺=30.303㎝≒30.3㎝として計算。

<参考2>
八卦は陰(- -)と陽(ー)とを示す三個の算木を組み合わせた八種の形象です。

八卦 読み 方角 象徴
乾 ケン 北西 天
兌 ダ  西  沢
離 リ  南  火
震 シン 東  雷
巽 ソン 南東 風
坎 カン 北  水
艮 ゴン 北東 山
坤 コン 南西 地

六十四卦は八卦を上下二段に重ねて作られた形象です。

※出典『茶の湯と易と陰陽五行』(淡交社)より