お香とお茶の会・替山路香

今日は暑い暑い一日でした。
名古屋の最高気温は34.2℃、軽く真夏日です。
夜のニュースによると、東京都心で最高気温35.4℃の猛暑日、群馬県伊勢崎市では40.2℃を観測し、6月の日本記録を更新しています。

先週に引き続いて、徳川美術館へ出かけました。
土曜日ということで、美術館内はそれなりに?賑わっていました。
今日は時間に余裕があり、数多の刀剣をゆっくり鑑賞することができました。(^^)

「六日の菖蒲」の出来事を一件。

6月12日に徳川美術館茶室で催された名古屋版「お香とお茶の会」の記事が14日の中日新聞に載っていました。
5月17日付けのブログで開催チラシを紹介した件の催しです。

当日は、大村秀章愛知県知事も参席されたようです。
知事の公式ブログ(6/12)の中に記事があり、お香席の「記録紙」の写真などが載っていました。
行なわれた組香は「替山路香」(かわりやまじこう)。

【替山路香】
◆香は五種
一 行きやらで  …一包で無試
二 山路くらしつ …一包で廡試
三 ほととぎす  …二包で内一包
四 今ひとこえの …一包で廡試
五 聞かまほしさに…一包で廡試

◆聞き方・答え方
試みがある香は[ほととぎす]のみで、その他は無試。
出香五包(五種各一包)を打ち交ぜて炷き出し、[ほととぎす]が何番目に出たかを一~五の漢数字で記紙に答えます。
(例)[ほととぎす]の香が一番目に出たと思えば「一」、二番目に出たと思えば「二」というように…。

記録紙には、[ほととぎす]の聞きに応じて、聞きの中段に歌の各句あるいは歌一首が書かれます。
行きやらで 山路くらしつ ほととぎす 今ひとこえの 聞かまほしさに

[ほととぎす]の出を聞き当てた人には、ほととぎすと書きます。
[ほととぎす]の出を聞き違えた人には、各句または歌一首を書きます。
[ほととぎす]一番目に出たると聞いて違えば、行きやらで
二番目に出たると聞いて違えば、山路くらしつ
四番目に出たると聞いて違えば、今ひとこえの
五番目に出たると聞いて違えば、聞かまほしさにと書きます。
三番目に出たると聞いて違えば、下の歌一首を書きます。
ほととぎすなくべき里をさだめねば けふも山路をたづねくらしつ

◆記録紙の例
①[ほととぎす]がたまたま三番目(三炷目)であった場合。(愛知県知事のブログに載っていた記録紙)

|替山路香記
| 今ひとこゑの ほとときす 行きやらて
|   山路くらしつ 聞かまほしさに

|名  一  行きやらて
|名  四  今ひとこゑの
|名    ほとときす
|名    ほとときす
|名    ほとときす
|名  一  行きやらて
|名  五  聞かまほしさに

記録紙を眺めると、たまたま[ほととぎす]が番目(Wの順番・千鳥で見ます!)に出ているため、きわめてシンプルに各句で収まってしまい、執筆の方は簡単で超ラッキーというべきか、筆の腕の見せ所を失くしてしまって残念というべきか、なんとも迷うところです。(^^)

もしも、「ほととぎす」が三番目ではなく、一番目、二番目、四番目、五番目などに出た場合には、三と答えて聞き違えた人には、下の例のように歌一首を書くことになります。

②[ほととぎす]が四番目(四炷目)であった場合。

|替山路香記
| 今ひとこゑの 聞かまほしさに 行きやらて
|   山路くらしつ   ほとときす

|名  一  行きやらて
|名    ほとときす
|名  三  ほととぎすなくへき里をさためねばけふも山路をたつねくらしつ (二行で!)

記録紙の書き方は、なんだかちょっと面倒です…。
参席した人は、試みのある[ほととぎす]の香が、出香五炷の何番目に出たかということだけにひたすら集中して答えます。

試みのある香、即ち初夏の代表的な鳥・ホトトギスを努々(ゆめゆめ)聞き違えてはなりませぬ…、ということでしょうか。(^^)
もしも、聞き違えた場合は、ホトトギスの一声を求めて云々…ですネ。

(注)和歌二首
・拾遺集106 源公忠
行きやらで山路くらしつほととぎす 今ひとこえの聞かまほしさに

・玉葉集307 源道済
ほととぎすなくべき里をさだめねば けふも山路をたづねくらしつ

因みに、愛知県知事のブログに載っていた記録紙にある香銘五種は、
「夏の朝(あした)・端居(はしい)・杉木立・風のいろ・旅衣」でした。

情景が浮かんできます…。(^^)