「聞香始」新聞記事
1月9日付の中日新聞に、前日8日に行なわれた「聞香始」の記事が載っていました。
香道の心得 ◆睦月◆ (6)終
ところで、蓬萊とは方丈、瀛州(えいしゅう)と共に中国の神山思想で説かれる仙境で、いづれも不老不死の仙人が住んでいるとの伝えがあります。組香にもこの三神山を主題にした〝三壺香〟と称する香式が創られています。「聞書(ききしょ)」には寿を賀するの香也と記されているように、これも祝賀の宴に欠かせない一つです。
京都の聞香始めは数ヶ所で行ないますが、やはり銀閣寺の弄清亭でのそれが最も〝稽古始〟らしく思えます。冷え冷えとした中でも久々にお合いする方々と聞香炉を手にし、祝賀の香を聞きますと何とも言い難い暖かみが全身に伝わってまいります。
※三壺(さんこ)…『日本国語大辞典』には次の説明があります。
///中国で、神仙が住んでいるという海中の壺の形に似た方壺・蓬壺・瀛壺(えいこ)の三つの山。
*和漢朗詠(1018頃)下「三壺に雲浮べり 七万里の程浪を分つ 五城に霞峙てり 十二楼の構天に挿めり<都良香>」〔捜神記〕///
※川口久雄『和漢朗詠集 全訳注』(講談社学術文庫)の543番に上記の詳しい解説があります。(^O^)
さて、三壺香です。
◆香は三種
蓬莱として 三包で無試
方丈として 同断
瀛州として 一包で無試
◆聞き方
蓬莱三包、方丈三包を打ち交ぜ、内一包を捨てた残り五包に、瀛州一包を加えた計六包を打ち交ぜて炷き出します。
すべて無試ですが、同じものは三包、二包、そして一包となるので、聞き分けることが可能となります。
最初に聞いた香を蓬莱(以下、方丈、瀛州)として、無試十炷香の如く聞いて、最後は読み替えで点数をつけることになるようです。
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余談ですが、日本の三神山は[富士・熊野・熱田]の三山と辞書にはあります。
個人的には、ちょっと意外?…でした。