回文
昨日の朝日新聞朝刊に載っていた鷲田清一「折々のことば」です。
何気なしに目をやり流し読みをしたのですが、最後のフレーズに引っ掛かり、最初から再読したはいいものの、独特のニュアンスと同時に語彙に微妙なこだわりを感じ、解説を読んだところ「回文」であることが解りました。
回文(かいぶん)は言葉遊びの一つ。
上から読んでも下から読んでも同音のもので、和歌や俳諧などにも見ることができます。
そう云えば、昔々「竹やぶ焼けた」などと云って遊んでいたことを思い出しました。
画像の回文の文字数はなんと49文字です。
長い!とっても長い回文です!
どうしたら作れるのか、頭の中の構造を知りたいぐらいの長さです。
以下は『日本国語大辞典』にある回文の[語誌]です。(部分)
和歌では、「むら草に 草の名はもし そなはらば なぞしも花の 咲くに咲くらむ」〔奥儀抄(1135-44頃)〕がもっとも早い例として知られている。また初夢の歌とされる「長き夜の とをのねぶりの みなめざめ 波乗り舟の 音のよきかな」は、縁起物として宝船の絵に添えられた。///
全くの言葉遊びなのでしょうが、宝船(宝尽しや七福神を乗せた帆掛け船)の絵に「ながきよの~」を書き添え、正月二日の夜に枕の下に敷いて寝ると吉夢と見るという謂れがあったと聞くと、言葉遊びも無下にもできませんね。(^O^)
因みに、もし悪い夢を見たときは翌朝この絵を川へ流したのだそうです…。とほほ!
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今日1月15日は小正月。
昔は、竹を組んで「どんど焼き」などを行なっていたという記憶がありますが、それも今では限られた地域、場所での行事になっているようです。(何んといっても、大きな炎が上がり、火の粉が飛ぶことから、とても街中ではできません。)
今朝は、習いに従って小豆粥をいただきました。(赤い小豆には邪気を払う力が秘められているとか…)
それにしても、何故15日が小正月?、と小豆粥を食べながら突然思ったのでした。
1月の真中だから…?
明治五年までは旧暦を用いていましたから、旧暦で考えると十五日は望月(満月)ということになります。
なるほど!と合点しました。
旧暦では、立春(2月4日頃)の前後で一月一日(大正月)を迎えることになります。
旧暦十二月の内に立春を迎える「年内立春」の年もあれば、旧暦一月になってからの「年明立春」になる年もあるのが旧暦です。
立春後の望月(十五日)の日を、ちょっとした新しい年の区切りとしたのも頷けるというものです。
何んといっても、まん丸い満月(望月)は明るく、はっきりと見えるのですから…。
小正月は旧暦一月十五日の行事が、明治五年の現行太陽暦への改暦に伴なって、1月15日にスライドされて現在に至っています。
小正月の行事は、地方によって色々あるようですが、どれも生活に基づいた催しとなっているようです。
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昨年の一月末からアップを続けてきた「詩歌をちこち」ですが、次回の【大和三山香】で一応の区切りとなります。
当初は数ヶ月で終了と思っていたのですが、結局一年を要してしまいました…。(^O^)