野分香

台風18号が週末にかけて日本列島に近づいてくるようですが、土砂崩れや浸水などの被害が出ないことを願うばかりです。
二百二十日を過ぎたばかりで、昔から台風を警戒する頃となっていますが、昔の人々は台風とどう向き合っていたのでしょうか。

この時季に催す組香に「野分香」があります。
源氏物語の「野分」の巻から採った組香ですが、ここでの野分(のわき)は台風と考えたいと思います。
夕霧が台風見舞いに訪れた六条院での情景を思い浮かべながらの組香でしょうか…。

◆香は四種
野分として 五包で内一包試
夕霧として 三包で内一包試
明石として 同断
仲秋として 二包で無試

◆聞き方
野分、夕霧、明石の試みを聞いた後、
出香十包(野分4、夕霧2、明石2、仲秋2)を打ち交ぜ、内より二包を除き八包にして炷き出します。

◆記録紙
二炷づつの4組(双)と考えて、当りには名目を点数の上の処(中段)に書きます。
全四双の当りには 野分
三双の当りには  夕霧
二双の当りには  明石
一双の当りには  苅萱
片当りには    村雲
無聞の人には   村雨

◆メモ
・香銘と名目を源氏物語から採りました!という感じの組香で、二炷づつの4双にしたのは遊び方と記録紙に変化をつけるためでしょうか。
・香銘に「仲秋」とありますが、陰暦の八月は仲秋です。今年は、閏五月があった関係でまだ旧暦七月ですが、去年の今頃は旧暦八月の中頃で十分に「仲秋」でありました。
・野分は「(野の草を分けて吹く意)二百十日・二百二十日前後に吹く暴風。台風。また、秋から初冬にかけて吹く強い風。」と広辞苑にあります。

下の絵は、『名画で読む源氏物語-梶田半古・近代日本画の魅力-』(大修館書店)の「野分」です。
ため息が出るほど美しい日本画です…。

野分