節分香

明日は節分です。

全国各地の社寺では豆まきが行われ、参拝客で大賑わいとなりそうです。

元はと云えば、朝廷の「追儺(ついな)」の行事で、大晦日の夜に悪鬼を追い払うための儀式であったとか。

やがて社寺・民間に広がり、後世では節分の夜に豆を撒いて禍を追い払う行事になったそうです。

家内の安寧・幸せを願う気持ちは誰しも同じですね。

今日になって、節分を題材にした組香に「節分香」があることを思い出しました。

志野流香道先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠の御試作と聞いた覚えがあります。

◆香は三種
青として 二包で内一包試
黄として 三包で内一包試
赤として 四包で内一包試

◆聞き方
青、黄、赤の試みを聞いた後
青一、黄二、赤三の計六包を打ち交ぜて炷き出します。

全当りは点数の処に「福は内」と書くそうです。

いろいろと想いを巡らしながら楽しめる、この時期ならではの組香になっているようです。

明日の豆撒き用の福豆が出番を待っています!

香道一口メモ・123【香時計】

内側を金属張りした厚手の箱に、源氏香図を立体形にし連続させたようなワク型を置き、シキミの葉や皮、杉の葉の細末に、時には沈水・檀香の粉末を加えた抹香(まっこう)を詰め込み型抜きする。その香材に点火し、火が末端にいたるまでの間を単位として時間を計ったのがこれ。長時間持つ線香も時間の経過を計るものとして利用されたようだ。

★常香盤(じょうこうばん)…香を絶やさないでたく方形あるいは円形の台。折れ線形、梵字形などに香を盛り、たくもの。香が定速で燃える性質を利用し、中途に目安の串をさして、時を知らせる香時計としても用いた。(『日本国語大辞典』より)

※『日本国語大辞典』より

【追記】2018.02.03
★長尺線香…御寺院では、経文を唱えたり、座禅を組んだりする時間を線香一本が燃え尽きるまでと定め、その時間を計る為に用いられます。(松栄堂のパンフレットより)

※右端の大天香は長さ730mm、燃焼時間は5時間半、また左端の臥雲香は長さ390mm、燃焼時間は3時間半のようです。