番付表-名物-

大相撲名古屋場所は連日熱戦が続いています。(今日は七日目)
名古屋市蓬左文庫前の植込みに桔梗が咲いていました。

気象情報番組では、冷夏による稲作への影響が心配され始めていますが、東海地方でも曇りや雨の空模様が続いていて、梅雨明けは7月下旬になるかもしれないとのこと…。

面白い「番付表」を目にしました。(現代文字に起こしてあります。)
江戸後期に作られた「くにくに(国々)名物つくし」です。
江戸時代には様々な番付表が流行していますが、何れも番付上の最高位は「大関」です。(『形物香合番付』もそうでした!)
横綱は、本来、化粧まわしの上に四手を垂れた白麻の太い綱「横綱」を締めることを許された大関力士の称号で、最高位の階級として番付に現れたのは明治二十三年(1890)、その地位が確定したのは明治四十二年(1909)の「横綱申合規則」による、と『日本国語大辞典』にはあります。


※出典は青木美智男編『決定版番付集成』(柏書房)。

尾張の名物としては、「宮重だいこん」「瀬戸焼き」「干し大根」「名古屋草履」の名が見えます。
「宮重だいこん」は春日井群宮重村(現・清州市)で作られていた特産品で、尾張藩から禁裏や将軍家へと贈られていたそうです。

全国各地の名物を見ると「昔も今も!」と納得する品々が多々あることに驚きます。(^O^)
中央下端の勧進元には「佐渡金」「京羽二重」と書いてありますが、二つは別格中の別格であったことが解ります。(金や羽二重ですから…)
その上の[差添]に「松前●●●」と書いてあるのは「松前オットセイ」と読むそうです。

面白いです…。

詩歌をちこち 【冬月香】

|①『新続古今和歌集』巻第六 冬歌 634
|  延文百首歌たてまつりける時   前大納言為定
袖のうへの露をばしらずやどりこし 月ぞ氷りて霜とみえける

|②『古今和歌集』巻第六 冬歌 332
|  やまとのくににまかれりける時に、ゆきのふりけるを見てよめる  坂上これのり
あさぼらけありあけの月と見るまでに よしののさとにふれるしらゆき
〔大意〕夜明けがた、有明の月だと見るほどまでに、吉野の里に降っている白雪よ。

|③[引歌](出所不明)
山の井のむすびし水や氷るらん やどれる月の影ものこらず

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)①②
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)②

*②→『百人一首』所収

※藤原為定(ふじわらのためさだ)
※坂上是則(さかのうえのこれのり)

※③の歌と似た感じの和歌です。

|『土御門院百首』 63
| 氷
山の井のむすびし水や結ぶらん こほれる月の影もにごらず