昨日22日、東京と福岡で桜が満開になったとの報道がありました。
春のお彼岸中に満開だなんてちょっと早すぎます…。(^^)

昨日で終了したEテレ「茶の湯 武者小路千家  春に楽しむ茶の湯の遊び」全4回は、タイトルに「遊び」とあり、誰が見ても楽しめるように工夫が凝らされていました。

お茶屋さんへいったり、道具屋さんを訪れたり、麩焼き菓子の作り方を紹介したり、花見弁当の桜寿司を作ったりと、日常と関連付けた内容で、生活に生かせるヒントがたくさんあったように感じます。
お点前にしても、略盆点や洋間での立礼、茶室での作法、濃茶の各服点、そして野点とバラエティに富んでいて、如何にしてお茶を身近なものとして楽しむかということに力点が置かれていたように思います。

これまでの茶の湯番組でみかけた点前順序云々がなかった点は画期的でした。
千宗守家元の滑らかな語り口と共に、斬新な内容でとても面白いシリーズでした。(^^)

近々、「桜寿司」を作ってみようと思っています。

※番組の「桜寿司」

酢飯を包む桜の葉の塩漬けは桜餅の葉と同じものでどうかしらん…と。
何事も手近かなところで!をモットーに……桜餅の葉になりそうです。

一石二鳥の仕儀となるかもしれません…?

桜を題材・香種にした組香はいくつかありそうですが、特に「桜香」と「禁裏香」は桜の時季によく合う組香といえそうです。
「桜香」については、市販本に詳しく解説されています。

【禁裏香】
◆香三種
桜として 三包で内一包試
柳として 同断
客として 二包で無試

◆聞き方と答え方
試みを終えた後、出香六包を打ち交ぜ炷き出します。
試みに合わせて札を打ちます。(とは云っても、札は自作するしかありません!)
※記紙の場合は二炷ごとに札の名目で答えます。

<札表>飛香舎、昭陽舎、紫宸殿、弘徽殿、清涼殿、淑景舎、仁寿殿、温明殿、襲芳舎、凝華舎

<札裏>桜、栁、吉野、錦木、葛城、紅、路野、緑、外山

桜桜と聞けば 桜の札
柳柳と聞けば 柳
桜柳と聞けば 吉野
柳桜と聞けば 錦木
桜客と聞けば 葛城
客客と聞けば 紅
柳客と聞けば 路野
客柳と聞けば 緑
客桜ときけば 外山

◆メモ
【禁裏香】の札表は、禁裏(きんり)即ち御所の殿舎名が用いられています。
赤字の殿舎が【禁裏香】で用いられている札の名目

紫宸殿(ししんでん)<南殿(なでん)とも…>
仁寿殿(じじゅうでん)
綾綺殿(りょうきでん)
温明殿(うんめいでん)
清涼殿(せいりょうでん)
後涼殿(こうろうでん)
宜陽殿(ぎようでん)
校書殿(きょうしょでん)
春興殿(しゅんこうでん)
安福殿(あんぷくでん)

後宮(こうきゅう)…以下の七殿五舎を総称したもの>
承香殿(しょうきょうでん)
常寧殿(じょうねいでん)
貞観殿(じょうがんでん)
麗景殿(れいけいでん)
宣耀殿(せんようでん)
弘徽殿(こきでん)
登華(花)殿(とうかでん)
昭陽舎(しょうようしゃ)〈梨壺(なしつぼ)〉
淑景舎(しげいさ(しゃ))〈桐壺(きりつぼ)〉
飛香舎(ひぎょうしゃ)〈藤壺(ふじつぼ)〉
凝華舎(ぎょうかしゃ)〈梅壺(うめつぼ)〉
襲芳舎(しほうしゃ)〈雷鳴壺(かみなりのつぼ)〉

【禁裏香】の香種にある「桜」「柳」を見るたびに『古今和歌集』春上56の素性法師の歌を思い出します。

花ざかりに京をみやりてよめる
見わたせば柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける