アヤメ・キショウブ・カキツバタ

公園の中で咲いていたアヤメ科の花三種です。

この時季、下図にあるようなそれぞれの適地で、訪れる人々の目を楽しませています。


※刈谷市文化観光課発行のパンフ「小堤西池のカキツバタ群落」より

※アヤメ

※キショウブ

※カキツバタ

アヤメ、カキツバタと聞けば、組香【菖蒲香】と【杜若香】を思い出します。

【菖蒲香】の証歌は、源頼朝の歌。

五月雨に池のまこもの水まして 何れあやめと引ぞわづらふ

※『太平記』巻第二十一 「塩冶判官讒死事」に頼朝の詠んだ歌があります。
五月雨に沢辺の真薦(まこも)水越えて いづれあやめと引ぞわづらふ

【杜若香】の証歌は、在原業平の歌。

『古今和歌集』巻第九 羇旅歌 410
唐衣きつつなれにしつましあれば はるばるきぬるたびをしぞ思ふ

この歌は『伊勢物語』九段にあるように、三河の国・八橋という処で「かきつばたといふ五文字を句の上にすゑて、旅の心をよめ」と云われて詠んだ歌(折句)となっています。

らころも
つつなれにし
ましあれば
るばるきぬる
びをしぞおもふ

例年であれば、【菖蒲香】や【杜若香】が催されるであろう時季を迎えていますが、各地で緊急事態宣言が発令されているコロナ禍の状況下では、大寄せのお香会はなかなか難しいようです。

不要不急の芸事とはいえ、たとえ月一回、月二回だとしても、ちゃんと炭団を埋けた香炉で一片の香木の香りを聞くひと時を持ち続けたいものだと思っています。