歳末チャリティ茶会

聴雨寒更尽
開門落葉多

雨を聴いて寒更(かんこう)尽き
門を開けば落葉(らくよう)多し

今日の名美歳末チャリティ茶会で志野流席の床に掛けられていた横掛の堂々たる墨蹟です。

『茶席の禅語大辞典』(淡交社)には、「雨音を聴いているうちに、寒い夜更けが過ぎ、夜が明けたので門を開いてみると、あたり一面に葉が落ちていた。一晩中聴いていた雨音は、朝になって見れば実は軒端をたたく落葉の音だったという幽寂な閑居の風情。」とあります。

お軸を拝見した時、思わず組香「時雨香」の証歌となっている和歌を思い出してしまいました。

『後拾遺和歌集』第六 382
落葉如雨といふ心をよめる 源頼実
このはちるやどはききわくことぞなき しぐれするよもしぐれせぬよも

お菓子は美濃忠の「庭の面」(にわのおも)。
掛物に呼応するかのように、餡を葉型で巻いて表面に点々と枯葉をイメージさせる粉を散らした、美味しいお菓子でした。

久しぶりに、名古屋美術倶楽部で行なわれた茶会に出かけました。
今日のお席は志野流と裏千家淡交会愛知第三支部の二席で、大勢の参会客で賑わっていました。
尤も、入り口での検温と手指消毒、そしてマスク姿は相変わらずの光景です。 (^^)

名古屋美術倶楽部では歳末「数寄の市」が催されていて、茶道具商・美術商の品々が大々的に並べられていました。
茶席の時間待ちに、お道具に目を留めていた方も多かったようです。

久しぶりに気の張る一日でした。(疲れました!)

しゃこばサボテン【蝦蛄葉サボテン】の時季です。(別名:クリスマスカクタス)