不易流行

6月6日付け朝日新聞のTOKAI ASAHI欄に<「現代」取り入れ創造続く>と題して、志野の頂点に立つ人間国宝・鈴木蔵さんが取り上げられていました。

志野の見どころは表面に浮かぶ緋色で、生地に含まれる鉄分が淡いピンク色となって現れると記事にはあります。
そして、焼き上げた後、ゆっくり冷ますのがコツで、壁が厚いほど効果的なことから、窯は造り替える度に大きくなっているのだそうです。

また、鈴木さんがよく口にする言葉として「不易流行」が出ています。
蕉風俳諧の理念の一つとされる言葉です。

「不易流行」の文言を目にした時、ふと脳裏に「伝統とは革新の連続」という言葉が浮かんできました。

2012年に行なわれた<名古屋「和」シンポジウム>で両口屋是清13代目・大島千代子氏が語った言葉です。
時代が変化していく中で、旧態然のままではやがて時代に取り残され、人の心にも響かなくなってしまうということでしょうか…。

記事のPDFはこちらです。 → 2018.06.06鈴木蔵

香道一口メモ・164【誰袖(たがそで)】

におい袋の異名。そでの形に作った二つの袋をひもでつなぎ、たばこ入れや汗ぬぐいなどをはさむ小さな袋を懐中から左右のたもとに落としておいたように持った。名の由来は古今集の「色よりも香こそあはれと思ほゆれ誰が袖ふれし宿の梅ぞも」から。なお、なでしこ科の山草で初夏に香気のある白い花をつけるという誰袖草も同歌による。