ギボウシ

朝8時前、晴れ上がった青空に、左半分が白く輝く下弦の月が南西寄りの方角に浮かんでいました。
美しさにしばし見とれてしまいました。
暦を見ると、旧暦では五月の二十三日ですから、確かに下弦の月の頃です。

ギボウシ【擬宝珠】の花が咲きだしています。
花茎が長いので、倒れやすいところがちょっと……です。

6月末が近づくと、気になってくるのがお菓子の「水無月」。
氷に見立てた三角形の白い外郎生地の上に赤い小豆をのせたもので、邪気を払うお菓子として夏越の祓いと共に知られています。
昭和時代に京都で創られたお菓子と聞いています。
京都では既に販売している菓子舗もありますが、名古屋ではどうでしょうか…。


※菓子舗「仙太郎」の水無月。今月中旬に早々といただいてしまいました。

詩歌をちこち 【鈴虫香】

|①『源氏物語』-鈴虫- 522
|    (女三宮)
おほかたの秋をばうしと知りにしを ふり棄てがたき鈴虫の声
〔大意〕おおよそ秋というものを、つらいと知ってしまったというのに、鈴虫の声だけは未練を振り切ることが難しい。

|②『源氏物語』-鈴虫- 523
|    (光源氏)
こころもて草のやどりをいとへども なほ鈴虫の声ぞふりせぬ
〔大意〕自分から進んで(虫の住む)草の家(である六条院)を厭うけれど、なおもその鈴虫の声は古びもせぬ

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)