千家十職・十備会

今日は旧暦の七月七日、旧七夕の節供の日です。
七夕の節供は初秋の行事とされていますが、今年は明日8日が立秋。
だからでしょうか、京都府民ホールで催される冷泉家「乞巧奠」の公演は明日となっています。

暑い日が続いています。
しばらく茶会に足を運んでいませんが、8月は暑さのためでしょうか、月釜は休会の所が多いようです。
個人的には、ギラギラ照りつける太陽を見ただけで、出かける気が失せてしまいます…。

『茶道雑誌』8月号の「暑中御見舞」頁の中に「十備会」の名がありました。
一般には、千家十職と呼ばれ、好みの道具等を作って千家を支える十の職家方の集まりとなっています。
十備会の構成は以下のようです。(代には一部?マークがつきます)

永樂善五郎 [17代](土風炉・焼物師)
樂吉佐衛門 [16代](茶碗師)
大西清右衛門[16代](釜師)
飛来一閑  [16代](一閑張細工師)
土田半四郎 [13代](袋師)
中村宗哲  [13代](塗師)
黒田正玄  [14代](竹細工・柄杓師)
奥村吉兵衛 [12代](表具師)
駒沢利斎  [14代没後空席](指物師)
中川浄益  [11代没後空席](金物師)

千家十職は近代になってから、現在の名称と構成になったようです。(赤字の当代は女性)

因みに、現在の三千家の家元は以下の通りです。
表千家 猶有斎宗左[15代]
裏千家 坐忘斎宗室[16代]
武者小路千家 不徹斎宗守[14代]

代の数を見ると、それぞれに近いものを感じますので、職家方の歴史は茶の湯の歴史と共にあったのではないかと推測されるところです。

近年、代替わり・代譲りが幾つかあったように思います。
直近の代譲りは樂吉佐衛門氏で、15代が隠居して直入(じきにゅう)を名乗り、長男(篤人)が16代樂吉佐衛門を継がれたようです。

初代・長次郎に始まり、楽茶碗を作り続けてきた楽家です。
濃茶席では必ずと云ってもいいほど出てくる楽茶碗ですが、何代の茶碗なのか、知っておくと何かと都合が良いようです。
初代・長次郎、二代は常慶、そして名工・三代ノンコウ(道入)以降、現在まで連綿と代を重ねています。

ノンコウ(道入:3代)・一入・宗入・左入・長入・得入・了入(9代)・旦入・慶入・弘入・惺入・覚入・直入(15代)

個人的には、頭一字や一音をひろって七五調で3代~14代を覚えています。
今回、新たに直入(じきにゅう)が15代として加わることになります。(尤も、現役バリバリですが…)

それにしても代を継ぐ、代を重ねるという事は大変な事です。

そういえば、武者小路千家の千宗屋・若宗匠が6月にめでたく結婚されました。
インスタグラムを見てビックリ!
披露宴の司会を務めたのは元NHKアナウンサーの有働由美子氏。
マツコ・デラックスとのツーショットもありました。
いやぁ、時代を感じてしまいました…。(^O^)

※蝉が「じいじい」と鳴いています。

詩歌をちこち 【松花香】

|『新拾遺和歌集』巻第七 賀歌 690
| 文和五年二月、松有佳色といふことをつかうまつりける   前参議為秀

君のみや千とせの松の花の色に とかへりまでもなれんとすらん

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)

※冷泉為秀(れいぜいためひで)